箱根ジオパーク

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H14 箱根神社(はこねじんじゃ)

~駒ヶ岳の溶岩流末端崖を利用して建造された境内~
Hakone-jinja Shrine

ジオサイト解説

箱根神社は後期中央火口丘(※1)の駒ヶ岳から流れ出た箱根神社溶岩(※2)の上に建っています。この溶岩は駒ヶ岳山頂付近から南側に流れた溶岩で、その流向は溶岩堤防の地形によって追跡できます。神社へ登る階段のある急斜面は、溶岩流(※3)の末端に形成される溶岩末端崖と呼ばれる地形です。溶岩末端崖は芦ノ湖側に張り出し、弧状の湖岸を形成しています。御本殿脇からまんがん 上人おく に向かう道沿いには、溶岩を覆う関東ローム層の露頭があり、富士黒土層(※4)を含む部分も見られます。
箱根火山は長い火山活動によって複雑かつ険しい山岳地帯を形成しました。それゆえ人々は畏怖の念からこれらの山々を神聖視し、信仰するようになりました。やがて山岳修行僧の活動する場となり、奈良時代の757(天平宝字元)年になってその一人である萬巻上人によって創建されたのが箱根神社です。特に鎌倉時代以降は武家の信仰を集め、勢力を拡大しました。
近世、箱根道の整備と共に、箱根神社は庶民信仰の聖地となりました。箱根の権現様として親しまれ、交通(道中)安全・厄除開運・心願成就(勝運守護)に御神徳の高い神様として、箱根山信仰はいっそう盛んになりました。
御本殿に向かう参道の両側には樹齢6~8百年を超える老杉の並木がそびえて森厳なたたずまいを見せ、朱塗りの権現造りの社殿の背後には、天然記念物ヒメシャラの純林が広がり、眼下に広がる権現御手洗の池である芦ノ湖には、朱の鳥居と霊峰富士を映す素晴らしい自然に抱かれた神社です。また、末社の九頭竜神社(新宮・本宮)は、開運隆盛はもとより、金運守護・商売繁盛・縁結びの神様として、全国各地からたくさんの参詣者が訪れます。

 

※1 後期中央火口丘:カルデラの中にできた比較的小さな火山体を中央火口丘という。箱根火山では前期、後期2つの活動期がある。

※2 溶岩:マグマがバラバラに飛び散らずに地表に流れ出たもの。高温で液体のものと、冷え固まって固体のもの、両方に使う。

※3 溶岩流:溶岩の流れ。高温で流れているものと、流れが冷え固まったもの、両方に使う。

※4 富士黒土層:富士山周辺の関東ローム層最上部付近に見られる厚さ 1.5m程度以下の黒色帯で、富士火山の噴火活動が穏やかであった期間(約 1 万~5 千年前)に形成されたと考えられている。

Because the area of Hakone is steep and mountainous, people have been awed by the mountains and have worshipped them as sacred.
The area was a place for ascetic priests to practice. One such high priest, named "Mann-gan Shonin", constructed Hakone-jinja Shrine at Motohakone during the Nara period (8th century).
Minamoto no Yoritomo hid at Hakone-jinja Shrine after being defeated in the war of Ishibashiyama (12th century; before the onset of his administration); as a result, the shrine was increasingly supported by samurai believers, which extended its influence.

<解説板の内容が閲覧できます>

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九頭龍(くずりゅう)神社
九頭龍(くずりゅう)神社

芦ノ湖畔、静かな森の中にある九頭龍神社。龍神様は水を司る神です。九頭龍神社に奉られている龍神様の伝説によると、芦ノ湖に住んでいた九頭の龍が龍神として奉られています。分社が箱根神社の境内にあります。そこでは霊水があり、汲む事ができます。
(提供:箱根町観光協会)


用語解説

アクセス

箱根登山電車「箱根湯本」駅から伊豆箱根バス「箱根町」行き、「元箱根」下車、徒歩約10分
または、
箱根登山バス「箱根町」行き、「元箱根港」下車、徒歩10分

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