H5 仙石原湿原(せんごくはらしつげん)
~国の天然記念物に指定された湿原植物群落~
Sengokuhara Marsh
ジオサイト解説
箱根カルデラの中には、かつて仙石原湖と呼ばれる湖がありましたが、約2.2万年前の神山の噴火により湖が二つに分断され、仙石原側が湿原化して現在の姿となりました。箱根湿生花園では、湿原に生育する植物を観察することができます。仙石原の名の由来は、源頼朝が「この地を拓けば、千石ほどの米が獲れよう」と言ったことにあるとも言われています。
In the Hakone caldera, there was a lake called Sengokuharako, but the lake was divided into two parts by an eruption of Mt. Kamiyama about 22 thousand years ago, and the Sengokuhara area part became a marsh.
You can see examples of plants that grow in such marshlands in the Hakone Botanical Garden of Wetlands.
The name Sengokuhara is derived from a Minamoto no Yoritomo saying that its size was as large as “1000 goku” of rice (1 goku = 180 liters).
用語解説
箱根湿生花園
仙石原湿原は、神奈川県に残る唯一の湿原で、広さ約17ヘクタール。その一部は昭和9年に国の天然記念物にも指定されている貴重な湿原です。その仙石原湿原に隣接しているのが箱根湿生花園。今から32年前に開園した植物園なのですが、そもそもこの場所に植物園ができたのは、仙石原湿原の存在を広く知ってもらうためと、湿原環境を大切に保護していこうという観点から設けられた施設です。箱根湿生花園は湿原・湿地の植物を中心に集められ、日本で最初にできた湿生植物園でもあるのです。
(提供:箱根町観光協会)
植生復元区
箱根湿生花園には、仙石原湿原側に広さ約2ヘクタールの植生復元区という、地元の湿原植物を維持管理している場所があります。実は、仙石原湿原の中は 立ち入り禁止となっていますので、実際に湿原の花々を観察することが出来ません。そこで、仙石原湿原の様子を知ることが出来るように、植生復元区という場 所を設けているのです。
(提供:箱根町観光協会)
キッズジオパーク
現在の仙石原は、旅館、ホテル、美術館などが立ち並ぶリゾート地となっていますが、約2万年前は、芦ノ湖の底だったといわれています。
3千年前、中央火口付近の神山が大きな爆発を起こし、たくさんの岩が仙石原に流れこみ、川がせき止められて誕生したのが、湿原化(注3)した仙石原高原です。
この地がかつて湿原だったという名残は「仙石原湿原」で見ることができます。面積17ヘクタールのこの湿原は、昭和9年(1934年)には国の天然記念物の指定を受けました。
仙石原湿原には、かつては紫色のノハナショウブが一面に咲いていました。現在では、その姿も少なくなっていますが、ノハナショウブをはじめ、この湿原に生息する植物の多くは、すぐ近くにある「箱根湿生花園」で見ることができます。
(注3) 湿原
洪水や川の氾らんなどにより、定期的に水におおわれる低地で、つねに非常に水分の多い状態にあり、ある程度の広がりを持っている土地。
行ってみよう!箱根湿生花園
(提供:箱根町)