箱根ジオパークのテーマ
北と南をつなぐ自然のみち 東と西をつなぐ歴史のみち
A Natural Road Connecting North and South A Historical Road Connecting East and West
箱根火山周辺には伊豆方面から北関東へと、火山や山地が南北に連なっています。そこには富士箱根伊豆・秩父多摩甲斐・上信越高原の3つの国立公園と、丹沢・妙義荒船佐久高原・八ヶ岳中信高原の3つの国定公園が連なります。自然豊かな場所であるとともに、植物のフォッサ・マグナ区に代表されるように、生物分布にも南北方向のつながりがみられることから、この山々の連なりを生物が行き交う回廊すなわち「みち」と捉え、「自然のみち」と呼ぶことにします。
しかし、この南北の「自然のみち」は、人にとっては東西移動の障壁として立ちはだかり、そこを越える各峠には街道が整備され、宿場が発達しました。これを東西の「歴史のみち」と呼ぶことにします。江戸時代、「自然のみち」に江戸の防衛線としての役割が加わり、各「歴史のみち」に関所が設置されました。
箱根はこの2つの「みち」の典型的な交わりの場所であり、その交わりが箱根ジオパークエリアの発展をもたらしたと考え、「北と南をつなぐ自然のみち 東と西をつなぐ歴史のみち」をテーマとしています。
なお、周辺には箱根の他にも伊豆大島、伊豆半島、秩父、下仁田、浅間山北麓、苗場山麓と多くのジオパークが南北に連なります。これらのジオパークにも豊かな自然と、街道と共に発展した歴史がみられますが、地形・地質は様々です。お時間があれば、これらのジオパークにもぜひ足を運んでいただき、共通点と相違点を体感していただければ、より楽しいジオパークの旅となるでしょう。